しゆん
2020年9月27日読了時間: 20分
チュートリアル〜六畳間ラプソディ〜
《0》 『あんた何やっても中途半端じゃない』 手に取った集合写真の片隅からは、そんな声がした。その集団の写る写真を見て、視覚によって聴覚が反応した。否、鼓膜が振動していない以上、視覚によって聴覚の記憶が蘇ったというのが正しい。そこに写る集団とは、自分を含めた中学時代のクラス...
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しゆん
2020年9月19日読了時間: 7分
タイムダイブ〜ハビタブルゾーン〜
0 確かに何だか体調は優れなかった。今までずっと、ある一定の速度で歩んでいた。ついさっきまで、ずっと歩んでいた、つもりだった。 しかし、気付けば予定していた場所にはなかなかたどり着かない、更にその次もその次も予定通りとはいかず、寧ろそのロスはどんどん大きく広がり、もうとっく...
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しゆん
2020年9月19日読了時間: 10分
UNPACK PAST〜Packing Past〜
《1》 その扉を開けると、向こう側の時間は止まっていた。 それは文面通りの意味に捉えて貰って構わないし、あともう一つ、扉の向こうに掛けられていた時計が止まっていた、という意味もある。 最後に自分がその扉を閉めたあの日から、六年ぶりに開けた。そしてほぼ六年分の時間が止まってい...
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しゆん
2020年9月19日読了時間: 13分
アイリス〜虹の方角〜
《1》口は閉じておけ、目は開けておけ 今朝、この道を今とは逆方向に進んでいた。今は帰り道だけど、今朝は行く道だった。今と同じ様に雨が降っていて、今と同じ様に町が水浸しになっていた。 見渡す限り僕も含めて周りの人ほとんどが不機嫌で、憂鬱で、イライラしていた。...
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